【対談】入り口は「宮崎市」にある -ITリモートワーカーが語る、宮崎市のリアル-
2021.09.01
土屋 有さん・大下 真史さん
- Uターン
- IT
- Iターン
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、より一層IT業界のリモートワークが定着化。住む場所を選ばなくなり、改めてライフスタイルを考え直しているという方も多いのではないでしょうか。
今回は、宮崎を拠点にリモートワーカーとして活躍するお二人に「宮崎のリアル」を伺いました。
プロフィール
土屋 有さん 宮崎大学地域資源創成学部准教授
都城市出身。大学在学中から上場企業など複数の企業経営役員を歴任。2013年に「故郷に貢献したい」とJターン。地元IT企業の取締役を務めた。現在は、大学で教壇に立つ傍ら、宮崎市ICT企業連絡協議会役員をつとめるなど、地域で活躍している。専門はマーケティング。
大下 真史さん クリエーター
福岡県北九州市出身。2019年、クリエイター育成事業を行うため、都内IT企業初の地方拠点として宮崎市を選択。統括ディレクターとなった。紆余曲折あり、現在も宮崎市を拠点に活躍。スナック紹介を目的とした「スナック入り口」のマスターでもある。
「人・バランス」だから私たちは今、宮崎にいる
大下:以前勤めていた企業が、クリエイター育成を目的に宮崎市に初の地方拠点を作ったことをきっかけに、2019年に移住しました。しかし、コロナの影響を受け倒産。雇用も数名していたので、非常に申し訳ない気持ちでいました。
お世話になっていた宮崎の皆さんに状況を伝えると、二言目には「大下さんはどうするの?まずは飲みに行こう!」と言ってくれたんです。前向きに受け入れてくれる人の温かさに感銘し、仕事の繋がりも生まれ、そのまま定住しています。
今は新たな企業に所属し、宮崎支社長兼クリエーターをしています。
土屋:宮崎市は、個人の理想とする暮らしの比率を高めながら、キャリアや報酬も諦めない。そんなバランスの取れたライフスタイルを実現できる場所なんです。
私自身、ITのキャリアを捨てずに、教員をしながら経営者やコンサルタントとしても活動できています。
人口40万人という適度な大きさなので、地域課題にも触れやすく、自分の動きと地域の動きが近い。未来に繋がる課題に自ら関与できる、余白のある都市なんです。だからこそ、宮崎市を拠点にしています。
「繋がり、チャンス」ITリモートワーカーも働きやすい、宮崎市
大下:移住前から今でも、よくコワーキングスペースを活用しています。最初、宮崎市内のコワーキングスペース情報を検索したとき、意外にたくさんあって良い意味で驚きました!それぞれ特色があり、駅近や街中、地域に特化したカフェ併設やキッズエリア併設、広く開放的で都会的な場所など。個々のニーズにあった多様なスタイルがあります。
今は、家から自転車で3分のKIW MIYAZAKI -TRUNK00-に支社を登記しています。単純に仕事をするだけでなく、その土地の「人」を知ることができるのも嬉しいですね。そして宮崎の方は「あなたにはこの人が合うのでは?」と、どんどん人を紹介してくださる。結果、都内にいた頃には会えなかったような、第一線でビジネスされている方とお会いできる機会も増えていますよ。
刺激的な日々を過ごせていますね。
土屋:宮崎は、スキル面でドライに評価するのではなく「このスキルを持ってる”あなた”だから仕事したい」と言ってくれる人が多い。
加えて、大下さんが言うように、人と人を繋げるのが好き。
コンパクトな街だからこそ、どのコワーキングスペースやカフェを利用していても、結局同じ人が繋がってくる。繋がることで、前に進むチャンスも掴みやすいんです。
IT企業も集積され、業界内のエコシステムも確立されてきています。独立する方も増え、業務委託やM&Aなどの好循環もあり、継続して雇用が生まれています。勉強会も今はオンラインがほとんど。ITリモートワーカーにとって都内で働くのも宮崎で働くのも、機能的な差はほぼないんじゃないでしょうか。
「満喫 MIYAZAKI LIFE」市外やアクティビティを楽しむには、車が必須
大下:職場も家も宮崎市街地にあるので、普段の生活は自転車で行動しています。特に不便はないですね。ただ、休日に市外へ遊びに行ったり、アクティビティを満喫するには「車」は必須!友人が遊びに来たときに案内しづらかった経験もあります。免許や車の取得は考えてからいらっしゃった方が良いと思いますね。
入り口は宮崎市にある
土屋:「移住」っていうとすごく重みのあるものに感じますよね。でも単純に引越し。全てを捨ててこっちに来てって言うんじゃないんです。人は移動距離が大きくなると、感覚論じゃなくて、ロジックを欲しがってしまう。正直、住みやすい土地で、好きに生きたらいいと思うんですよね。
宮崎市は「キャリア」も「仕事」も「出会い」も「暮らし」も、入り口が見つけやすく、数多くある場所。街がコンパクトで、繋がりも心地よく持てる。どんな入り口も、選びやすい。もっと自分の優先順位に正直に、自分らしい「入り口」に出会って欲しいですね。